日本の国防 2011 11 13
本日書いた「ボルネオ島 2011 11 13」という記事を読んで、
誤解する人がいると思いますので、
念のため、日本の国防ということを書きましょう。
どういう誤解かというと、
「どうやら、焦点は、ボルネオ島と、
ひょっとすると、樺太になりそうだ。
やれやれ、日本は、対岸の火事を見ていられる」という、
大いなる楽観というか、勘違いです。
しかし、このような情勢になると、
日本の国防には、危機が訪れます。
アメリカが南シナ海に集中するということは、
軍事バランスが日本列島において崩れるということです。
今のアメリカの財政力では、二正面は不可能ですから、
大げさに言えば、日本列島には、軍事的な空白ができるということです。
アメリカから「日本は、自分の国は、自分で守れ」と言われても不思議はないでしょう。
さて、「自分の国は自分で守る」ということになると、
日本は、「軽武装」と言ってよいでしょう。
何しろ、今まで日本は商売に専念して、
安全保障はアメリカに丸投げという状態が長年続いてきたからです。
これに対して、「日本には、自衛隊がある」というかもしれません。
しかし、自己完結性が求められる軍隊において、
自衛隊は、特殊な存在です。
つまり、自衛隊の装備は、米軍との補完関係で整備されてきたのです。
そういうわけで、米軍なしでは、
自衛隊は、軍隊に必要とされる自己完結性が満たされないのです。
今後、日本においては、軍事力の補強は必須となるでしょう。
要するに、自衛隊を自己完結性のある軍隊に昇華させていくべきです。
しかし、このような補強は、多大な予算と時間がかかりますので、
そう簡単に達成できるものではありません。
そういうわけで、国内のタカ派からは「日本は核武装すべきだ」という声が強くなるでしょう。
ボルネオ島 2011 11 13
書名 極東日本のサバイバル武略
著者 兵頭 二十八 並木書房
中国の海洋進出というと、
多くの日本人は、東シナ海を連想するでしょう。
昨年の尖閣諸島のニュースは、
庶民のお茶の間に何度も放映されました。
しかし、元軍人が、
中国の海洋進出を見ると、どう見えるか。
東シナ海は「陽動作戦」、南シナ海が「本命」かもしれません。
尖閣諸島付近に現れた艦船は、
漁業監視船のようなもので、
南シナ海の群島付近に現れた艦船は、
本物の海軍ということです。
尖閣諸島というテーマは、
権力闘争に利用されているのかもしれません。
中国では、長らく反日教育が行われていました。
だから、時々、「私は親日ではない」と証明する必要があるのです。
さて、なぜ、中国が南シナ海に、
とりわけ、南沙群島に強い関心を持っているのか。
南沙群島の先には、ボルネオ島があります。
ボルネオ島には、ブルネイという国があり、
非常に豊かな国で、石油や天然ガスなどの資源が多く埋蔵されています。
「ボルネオ島」や「付近の海域」は、地下資源が豊富でしょう。
このように書くと、日本の高齢者の方は、
「なんだか、戦前の日本海軍を思い出す」と言うかもしれません。
オーストラリアの高齢者の方も、
「第二次世界大戦の時の日本海軍を連想する」と言うかもしれません。
著者は、こう書いています。
「アメリカ海軍が主導して打ち出している
『エア・シー・バトル』というコンセプトも、
第一義的には、南シナ海への中国軍の突出を
抑止するための深慮遠謀に他なりません。
また、これには、ボルネオ北部の油田地帯の
事実上の守備隊となっている、
英連邦軍も無関係ではないはずです」
さて、話題を変えます。
かつて、中国の清帝国の時代は、その領土は、どこまであったか。
今の中国よりも広大で、東シベリアは中国の領土だったのです。
そのうち、「樺太も中国の領土だった」と言い出すかもしれません。
ロシアも、アメリカのように、「太平洋国家になる」と言い出すかもしれません。
最近、ロシアは、極東において、軍事力の整備に熱心ですね。
ちなみに、清帝国は、乾隆帝の時に、
その領土が最大限に拡大したと思います。